- Profile - 1981年生まれ。 大学院で建築を学び、 アトリエ系設計事務所で 4年半勤務。 組織事務所に就職。 東京在住。 背に腹かえて 赤裸々にお送りします。 その他のジャンル
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[はじめに] ●物語の主な舞台である学校は、インタビュー等でも言及されているように、鳥かごのメタファーとして描かれている。学校が外の世界(現実であり、未来である。)と断絶された鳥かごであるがゆえに、その境界線である「窓・ドア・校門」等の開口部が、非常に注意深く、様々な意味を持って劇中で表現されている。僕が感心し、膝を打った開口部表現についてのメモです。 [校門の描写] ●冒頭、先に校門から入り希美を待つみぞれ。音楽室へ向かう希美の後ろを歩くみぞれ。それが当たり前でこれまでも、そしてこれからも続くと思わせるような自然さで描かれている。しかしラストシーンで校門を先に出るのはみぞれなのである。すぐにいつも通り希美が先を歩き出すが、希美は振り返りみぞれに言う「待ってて」と。 ●劇中に起こる2人の関係性の大きな変化が校門を通して表現されている。毎日繰り返されているはずの登校と下校という行為なのに、物語の最初と最後にだけ校門のシーンを入れることで、単純に物語の始まりと終わりを表現しつつ、不可逆な時間の流れと、外の世界(未来)へと歩き出す2人が表現されている。 ●時間の流れの描写として、劇中では雨やヒマワリ、進路や模試といった、季節や時期は表現されているが、時計は映っても時計の針は意図的に見えないようになっている。 [窓の描写] ●劇中に何度も窓の外の景色が鳥とともに映される。外の世界=現実・未来の暗示として。 ●ほぼ全てのシーンが望遠レンズで映されており、劇中の人物を遠くから覗いているような構図になっているが、希美がみぞれに「休みにどこかへ行こう」と誘いながら窓を開けるシーンでは、希美越しに見える開かれた窓が極端な広角で描かれている。みぞれにとっての、希美を中心として広がっている明るい未来が表現されているように。しかし希美によりその窓はすぐに締められる。 ●校舎裏で久美子と麗奈が演奏する第3楽章のソロパートに対しても、外の世界から聴こえてくる音楽に対し、普通科の大学に進む3人は、無邪気に窓から顔を乗り出して久美子達をみる。対してみぞれは、窓を少しだけ開けて、再び自ら窓を閉めてしまう。 ●みぞれが理科室で1人進路に悩むシーンで、窓の影によって机の上の白紙の進路調査書に大きなバツ印状の影がおちる。(気のせいかもしれないが、ゾクリとした。) [ドア(教室と廊下)] ●みぞれが廊下で希美と別れ教室に入ろうとすると、ドアの手前で白紙の進路調査書を理由に教師に呼び止められる。(この時、教室に入ろうとするみぞれは夏紀に手を引かれている。)ここで学校が「外と中」という単純な鳥かごではなく、外の世界ー校門ー校庭ー玄関ー廊下ー教室、というヒエラルキーを持った、入れ子構造の鳥かごであるとわかる。廊下はいわば「外と中」の中間領域である。 ●冒頭の長い時間をかけて、いくつもの廊下、階段、ドアを経てたどり着く音楽室は鳥かごの最深部の不可侵な彼女たちの聖域だと分かる。 ●学校が入れ子構造の鳥かごならば、誰と誰がどこで会うかにも意味が現れる。梨々香が希美に声をかけるのは廊下だが、みぞれと話すのは教室の中である。また、優子は教室に入ってくるが、麗奈は入ってこない。麗奈はあくまでも音楽の話をするだけで、みぞれの心にまでは踏み込まない。しかしそれにより、みぞれを教室の外へ連れ出すことになっている。(廊下に立つ3人の足元と一緒にドアの下枠が映る。) ●他にも 音楽室と理科室の窓越しのやり取りとか、 リズの物語の中での、窓とドアの意味とか、 色々考えられそうですが、ひとまずここまでにします。 #
by yasubusin
| 2018-05-15 12:26
| 遊
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